監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「なにをそんなにカッカしてんだ?きらいな男がちっせぇ傷作ってただけだろ」
「すぐ人にたよる軟弱な男はきらいです。でも、人にたよろうとしないあなたのような男もむかつきます!」
さっきから感じていたイライラをがまんせずにぶつけると、108番は目を丸くする。
それから、ふっと口角を上げて頬杖をついた。
「じゃ、直さないでおく」
「私の言うこと聞いてたの!?」
「あぁ、もちろん。それよりさ、作業中ずっと俺のこと見てたろ。なんか言いてぇことあんの?」
それよりって…!
やっぱりイライラしながら、右手を出させて、手のひらにカットバンを貼る。
「あります。…あのときは…かばってくれて、ありがとう。…でも!ぜんぶ忘れなさい!」
「むり。景依の悲鳴って耳に残んだよな」
「忘れて!」