監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
行方不明者
蒸し暑いのは、雨降りなのに夏らしく気温がたかいせい。
7月初週の水曜日、私は休み時間に兎杏と廊下で話しこんでいた。
「うぅ~、やっぱりまちがってたかぁ…景依ちゃんは今回も満点合格できそうだね」
「う、うん…たぶん…」
今週は看守業務を午前と午後でわけて、AクラスとBクラスが交代で期末テストを受ける特別体制の1週間。
2年の特進クラスは午前テスト固定で、今日は兎杏が所属するAクラスとおなじタイミングにテストを受けている。
先週は1週間、看守業務のかたわらでテスト勉強に熱中していたけど…ふとした瞬間にらい…108番のことを思い出してしまって…。
「あれ…?自信がない景依ちゃん、めずらしいね。なにか悩みごと?」
「うっ、ううん!なんでも!」