監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 兎杏にはぜったい言えない!

 108番に好き勝手させちゃったなんてこと!

 看守の私が受刑者の言いなりになるなんて、本当にあのときはどうかしてた!


 これがもし他の人に知られようものなら、退学はまぬがれない…!

 と、ぶるぶるふるえていると、いきなりジリリリッと警報が鳴り始めた。




「わっ、この音…!」


「刑務所棟のほうでなにかあったんだ!行こう、兎杏!」


「う、うんっ!」


「試験中止!全員正面玄関に集合してください!状況を聞いて対処に回ります!」




 副会長として、他のGebot(ゲボート)生にも声をかけながら、兎杏と一緒に階段を駆け下りる。

 3年生や1年生とも合流しつつ、正面玄関に着くと、刑務所棟のほうから見覚えのあるひとが出てきた。
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