監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「はぐれわんこを探しに来たとこ。心配しなくてもすぐ教室にもどるさ」


「いえ、房にもどってください!ほら、付き添いますからはやく!」


「はーい!」


「へぇへぇ。…なにがあった?」




 2人にまえを歩かせて雑居房エリアに向かいながら、108番の質問に答える。




「103番が脱走したんです。捜索中なのであなたたちは房で大人しくしててください」


「メガネくん?おれ、見てないなぁ」


「ふぅん…俺も見てねぇな。…わんこ、先に部屋帰ってろ。寄り道すんなよ」


「わかった、キング!せんせー、じゃーねー!」


「えっ?ちょ、ちょっと!」




 私に手をふって走り出した72番を追おうとすると、108番の腕に行く手をふさがれて、壁へ追いやられた。

 私は背中が壁についたのを感じながら、目のまえで笑みを浮かべている108番をにらむ。
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