素直になるまで
結衣に声をかけ教室を出て下駄箱に向かった。
「結衣、ごめんね?」
「いいよ。夏希は大切な親友なんだし、夏希が辛い時はあたしも辛いんだからね?」
「結衣……ありがとう…」
今のあたしはものすごく涙もろい。
「じゃ、帰ろっか」
「うん。あたし結衣が友達で良かった。」
「そんなのあたしも一緒に決まってんじゃん」
「良かった(^ ^)」
「よし!帰ろ!」
あたしは頷き、結衣と一緒に昇降口を出てちょっと歩いたら、校門の所に人影があった。
怖い…
結衣があたしの手を握ってきた。
やっぱり、結衣も怖いんだ。
あたしも握り返した。
近づくにつれて、顔もはっきりしてきた。
えっ………
なんで…?
そこに立っていたのは、制服を着た隼人だった。
ずっと居たんだ…。
結衣が隼人に声をかけた。
「隼人…何してんの?」
「夏希待ってた。
俺の気持ちちゃんと夏希に伝えてなかったから。
俺……誤解されたまんまは嫌だから……」
「だって。夏希どうする?」
結衣があたしに話しかけてきた。
「でも……
もう、辛いよ。
隼人の気持ち一緒にいて伝わってきたから…
あたしのこと、もう好きじゃないって…
だからもういいんだ。
結衣、帰ろう?」
「夏希それでいいの?
夏希は隼人の本当の気持ち知りたくないから、逃げてるだけじゃないの?
夏希ってそんな子じゃないよね?
誤解されたまんまじゃ嫌だ、って隼人言ったじゃん。
だから、夏希が思ってること、違うんじゃないの?
隼人の気持ち聞いてあげたら?」