素直になるまで
「そうだね…逃げてただけかも。
結衣の言う通りだった。
隼人の話聞く。」
「うん。それでこそ夏希!
じゃ、あたしは先帰ってるね?」
「ありがと、結衣。
遅くまで付き合わせちゃってごめんね?」
「そんなことはいいの!
じゃ、夏希頑張ってね!メール待ってるから。」
「わかった。じゃあね」
それだけ言って結衣は先に帰って行った。
沈黙……
気まずい。
「どこで話す?」
「俺ん家でいい?」
隼人ん家か…
気まずくなったらどうしよう…
と思ってるにも関わらず、あたしは静かに頷いてしまった。
電車に揺られ、駅に着き降りた。
いつもなら、長く感じる隼人の家までの道のりは、今日は、いろいろ考えて歩いたせいで、とっても短く感じられた。
はあ……着いちゃった。
あいかわらず、隼人の親は忙しいみたいで、家に灯りは付いていなかった。
黙って玄関の鍵を開け、入り隼人はすたすたと中に入って行った。