Lazy President

「…なーんてね!知り合ったばっかりの私がなに得意げに語ってるんだって話───」



若干気まずさを覚えながらも、空気を変えて明るく話し出したとき。



「変な子だね、結羽は」



目じりを下げて、柔和な笑みを浮かべた芹くんが、可笑しそうに呟いた。



「っ…!!」



その瞬間、心臓の奥の方に矢が突き刺さったみたいな感覚に陥る。



「そんなこと言ってくれた人、今までいないかも…ってゆーか、いない。超嬉しい。ありがと」



心臓が撃ち抜かれて、刺さった矢が全く抜けない。



っ痛い…痛いよ、芹くん。



勝手に矢とか、刺さないでよ。



なんで…なんでそんな急に、優しい顔するの。



「べ、別に…思ったこと言っただけ、だもん…」



「それが嬉しいんだって。素直な結羽、可愛いよ。素直じゃなくても可愛いけどね。何してても可愛い」



………大丈夫?



このままじゃ芹くんの優しさと甘さで溶けちゃうよ、私。



「っ…褒めすぎだよ」



「ふっ…結羽の顔、真っ赤っか…。どうしよ、ほんとに可愛い」



もう、無理。



「〜〜〜〜っ芹くんのバカっ!!」



「うぐっ」



熱い視線に耐えられなくなった私は、芹くんが座るベッドに突撃アタック。
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