Lazy President
「趣味はなんですか」
「え、趣味?えーっと…漫画を読むこと?」
「俺も好きー。好きな食べ物は?」
「甘いもの全般…かな」
「俺も甘いの大好物。特技は?」
「とっ、特技?うーん……空気を読むこと」
「…それが特技なの?」
「だ、だってそんないきなり言われてもわかんないよ!っていうか、これただの質問コーナーになっちゃってるし…!ずっとこれ続けるつもり?」
このままずーっとこれを繰り返すだけの時間が続きそうで、一旦ストップをかける。
芹くんは私の問に「まさか」と横に首を振り、私を自分が座るベッドの横をぽんぽん叩いた。
来いってこと…?
なんとなくその意味を汲み取って、おずおずと隣に腰を下ろした。
「結羽が話しやすい環境?空気?を作ろうと思って。ほら、肩の力も抜けたでしょ?」
「うん…たしかに」
最初は私的な話を誰かにすると思うだけで身構えていたけれど、今はあんまりそれを感じていないことに気がつく。
「話したくないことを無理に話す必要はないし、嫌なら嫌って言って欲しい。俺はただ、結羽のことを知りたいだけ。それ以上でも以下でもないんだから、無理強いはしないよ」
「芹くん…」