Lazy President
私を助けてくれたのは、まさかの芹くんだった。
「ど、どうしてここに…?なんで私の学校知って…」
「結羽を送り届ける時に学生証を見ただけ。住所と連絡先、学校名も書いてあるからね。スマホを見るのは気が引けるし」
「なるほど…」
だから私の家も学校もわかったんだ…。
今朝の謎が解けてスッキリしたところで、周囲の視線が私たちに集中していることに気がつく。
芹くんもなんとなく感じ取ったのか、腕にかけていた傘をさして私を入れてくれた。
「…ま、とりあえずどっかに移動しよ。あと、これ着といて」
続けて芹くんが着ていたキャメルのカーディガンをかけられ、困惑する。
「え…それだと芹くんが風邪ひいちゃう!私はいいから芹くんが……」
すぐに脱いで返そうとしたら、芹くんにものすごい勢いで止められてしまった。
「今の自分のカッコ、わかって言ってる?」
……自分のカッコ?
「っ…!!!」
芹くんに言われて制服を見てみると、ワイシャツが雨に濡れてブラが思いっきり透けていた。
そのこと自体がそもそも恥ずかしいけど、芹くんに見られていたと思うと余計に恥ずかしい。