Lazy President
「意味わかった?他の男共に結羽のかわいーやつ、見せたくないから言ってんの」
「っな…」
な、なにそれ…。
その言い方だと、芹くんが私の彼氏みたいだよ…?
心の中では色々言えるものの、今は羞恥心が上回って何も言えない。
「ぅ…ごめんなさい」
「ん、以後気をつけるよーに」
「はい……」
そんな会話をした後、芹くんが進む方向へと歩き出した。
すると、今度はまた違うことが気になってくる。
…傘って、こんなに小さかったっけ。
芹くんが大きいからなのか、それとも相合傘とはこういうものなのか。
どっちなのか分からないけど、いつも自分で傘をさすときより狭い気がする。
どちらかが少しでも動けば、肩と肩が触れてしまいそうだ。
い、息が詰まりそうっ…。
なんだか思ったように息が出来なくて、話しかけることもままならない。
勝手に気まずい状況の中、芹くんが先に沈黙を破った。
「…結羽、もっとこっちおいで」
「へっ!?」
いきなりそんなことを言われた私は、思わず変な声を出してしまった。
な、なに今の声…!?ほんとに私!?最悪すぎる!!
オマケに声も裏返って、もうパニック状態。