Lazy President
「んじゃー早速行きますか」
「おー!」
そんな感じでゲームセンターに入り、数十分後。
「すっ…すごいよ芹くん!!クレーンゲームのプロになれるよ!!」
「ふっ、なにそれ。そんなのあんの?」
いつの間にか、両手いっぱいのぬいぐるみやらお菓子やらを抱えていた。
今は近くの公園で、お菓子とぬいぐるみの分類をしているところ。
きっかけは私の些細な一言だった。
『わぁ…かわいいなぁ…』
もふもふした可愛いぬいぐるみの山を見ていたら、芹くんに「これが欲しいの?」って聞かれて。
うん、って返事をした数秒後には目の前にあったぬいぐるみが芹くんの手元にあった。
私だったら何十回やっても無理そうなのに、それを一発で取っちゃうんだから凄いよね。
そんなことの繰り返しをしていたら、ぬいぐるみ達の学校が作れるくらいに取れてしまっていたのだ。
「そのぬいぐるみ、全部結羽にあげるから好きなの持って帰っていーよ」
袋に詰め込みながら言う芹くんに「いやいや…!」と首をブンブン横に振る。
「悪いよそんなの。芹くんが取ったものだし、第一私、今日芹くんにお金使わせてばっかりでしょ…?こういうのはちゃんとしないと」
今日ずっと気になっていたのは、芹くんのお財布事情。