Lazy President
「…ん?なにこれ…?」
学校の手前にある交差点に差し掛かったとき、白い布のような何かを見つけてしゃがみこむ。
「わぁ…可愛い…」
そこには『U.S』と刺繍されたレースのハンカチが落ちていた。
誰かの落し物…だよね。
…届けてあげたいな。
もし私がこんなに綺麗で可愛いハンカチを無くしたら、きっとショックでしばらく落ち込んでしまう。
そんなに汚れてないから、落としてまだ一時間も経っていないと見た。
近くのガードレールにかけておけば、気づいて取りに来るかも…?
そう思って、ガードレールかけようとした時だった。
「それ、私のですわっ!!」
「えっ?」
よく通る甲高い声が聞こえて振り向くと、私と同い年くらいの女の子が息を切らして膝に手をついていた。
綺麗に巻かれたツヤのあるブロンドヘアー。
名門私立高校のセーラー服を身にまとっているその姿は、どこか異国情緒を感じさせる。
「拾っていただき、本当にありがとうございます。感謝いたしますわ」
息を整えた彼女に話しかけられ、ハッした。
あまりの美人さんだからつい見とれちゃってた…危ない危ない。