溺愛体質な王子2人が甘すぎます
「俺のこともまだ怖い?苦手?」

「っ……」

苦手。

苦手だった。

今も触れられた左手に違和感があって、少しビクリとしてしまった。

今は怖くないし苦手じゃない。

だけど黒瀬くんと違って、触れられるのは……。

「苦手、だった。女の子の事弄んでばっかりで、そんな人が1番苦手だった。今は怖くないし、苦手じゃないけど触れられるのはまだ……」

私の言葉を聞いてすぐに手を離してくれた。

でもその握られた時の温かさが手に残っている気がする。

「そっか。確かに俺は女の子といつも一緒に居て、話したり相談している。でも俺から手を伸ばしたのは美優ちゃんだけなんだ。他の子に自分から触れた事なんて無い」

目を瞑って少し俯いた高崎くんを見て、何故か手が伸びていた。

さっきは触れられるのが嫌だ、みたいな事を言ったのに。

彼の手を両手で包み込んで目を合わせた。

「今まで誤解しててごめんなさい。高崎くんから女の子に近づいて、触れて……とかをしているんだと思ってた」

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