溺愛体質な王子2人が甘すぎます
一緒に学校に行くなんて本当の恋人みたいだよ。

それに朝から何あの笑顔……心臓に悪い。

とにかくずっと待ってもらうのは出来ないからすぐにカバンを取りに行こう。

足を引きずりながらリビングに置いたカバンを取り、ドアをガチャっと開けた。

「おまたせっ……」

「ん」

「?」

何故か左手を差し出され、私は頭を傾けた。

どうしたんだろう?

あっ、もしかして私の怪我を気にしてるとか……いやそれは無いか。

じゃあなんだろう……?

「手、繋いで学校行かない?美優ちゃん」

「手……を繋ぐ?」

手を繋いで学校になんて行けるわけ無いじゃん……!

と怒りたくなったけど押し込めた。

「男性恐怖症を治すためには手を繋いだりしないと、治らないと思うよ」

「う……確かにそうだけど」

「なのになんで繋がないの?」

「だって……みんなに注目されちゃうし。……恥ずかしいもん」

やばいこんな事言うの恥ずかしすぎる。

顔が熱くなって来て、顔を逸らしながら手で顔を仰いだ。

まだ夏じゃないのに暑い……!

きっとこれは季節のせいじゃなくて、高崎くんのせいだ。
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