溺愛体質な王子2人が甘すぎます

「これは練習だけど?」

「練習……」

そうだ、練習しないとお付き合いする意味が無い。

……でも練習とはいえモテ男と手を繋ぐのはハードルが高すぎる。

しかもまだ触れるのはちょっとな……。

意を決して手をぎゅっと握った。

に、握ってしまった……。

高崎くんは一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐに笑ってくれた。

その笑顔に胸が締め付けられるような、そんな気がした。

何……この症状。

締め付けられたような感じになるのは初めてだ。

なんでだろう……?

手を繋いで歩く道は、何だか特別な気がした。

門が近づくに連れて人が多くなってくる。

パッと手を離されて肩と肩の距離も広がった。

繋がれていた手に、何故か高崎くんの温もりが残っている気がした。
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