溺愛体質な王子2人が甘すぎます
私の目の前で足を止めて、口を開いた。

「お前の名前、なに」

「え……?わ、私ですかっ」

「ん」

静かな低い声で話しかけられ、ドキッとした。

男の子がこんなに近くにいる。

こ、怖い。

しかも身長が高くて、睨んでいるように見える……。

「さ、笹凪美優……です」

「美優……」

何故か名前を呟かれ、2人はさっきよりも大きく目を開いた。

口も半開きでポカンとしている。

「今日の放課後、空いてたら体育館来て欲しい」

「へ……?体育館?」

「ん。待ってる」

短くそう言って背を向けた。

そしてこちらを一瞬振り返り、私の目を見て一瞬微笑んだ気がした。

それはとっても優しくて、なんだか甘い。

気のせい……だよね?

だって噂通りの人なら、話しかけないし笑いもしないはず。

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