地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

「男の子だけ亡くなった」

「なっ·····」


母親は絶望した。


しばらく2人は泣くでもなく、ただただずっとぼーっとしていた。


そして数日が経ち、看護師に言われて赤ちゃんの様子を見に言った。


そこには可愛らしい生まれたばかりの赤ちゃんが入ったコット(新生児用のキャリーベット)がずらっと並んでいた。

もちろん桃子もその中にいる。


ただ、母親は桃子の方を見向きもせず、他の子の男の子の赤ちゃんばかりを見ていた。


あれが本当の自分の子ではないのか、そう思うようになってた。

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