地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】


いや、気づいている人もいるだろう。


その女の子に可哀想な、哀れな目を向ける人もいるから。

病気持ちだと思っているからかもしれないが、それとは少し違う気がする。


人は目でコミュニケーションをとるとも言う。

女の子は特にその人の目に敏感だった。


『私にはどうすることも出来ないから私に助けを求めないでね。』

『私も自分のことでいっぱいいっぱいなの。だから他の子のことまで考えれない。』


そう、目が言っている。


みな、面倒なことに巻き込まれたくないのだろう。
見て見ぬフリをする。
 

今日もまた外に出るのだと思い、女の子は急いでお風呂から出た瞬間、玄関の鍵が開く音が聞こえた。

< 11 / 301 >

この作品をシェア

pagetop