地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
いや、気づいている人もいるだろう。
その女の子に可哀想な、哀れな目を向ける人もいるから。
病気持ちだと思っているからかもしれないが、それとは少し違う気がする。
人は目でコミュニケーションをとるとも言う。
女の子は特にその人の目に敏感だった。
『私にはどうすることも出来ないから私に助けを求めないでね。』
『私も自分のことでいっぱいいっぱいなの。だから他の子のことまで考えれない。』
そう、目が言っている。
みな、面倒なことに巻き込まれたくないのだろう。
見て見ぬフリをする。
今日もまた外に出るのだと思い、女の子は急いでお風呂から出た瞬間、玄関の鍵が開く音が聞こえた。