地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】


翌日、お昼前に目を覚ました桃子は黒神の部屋の前まで行き、ドアノブに手をかけようとして辞めた。

そして開くドアの横にちょこんと座った。


中に入りたいけど入ったらダメだと最初部屋を案内された時に赤宮が言っていたので、黒神が出てくるのを待っていた。


ノックするとかドア越しに声をかけるという行動は一切せず、ただじっとして黒神が部屋から出てくるのを待つ。

 
桃子がドアの前に座って5分くらい経ってから黒神の部屋のドアがゆっくりと開いた。


「···なんで入ってこないんだ?」


まるで桃子がそこに居たことを最初から知っていたかのように、座っている桃子に言う。


「はいたらダメって」

「·····そうか、入っていいぞ」


そう言って桃子の手を取って桃子を部屋の中に招き入れた。
 
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