地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
(ガチャっ)
そして知らない、全身黒ずくめの人達がドカドカと玄関から入ってきた。
どう見ても怪しい黒ずくめのサングラスをしたガタイのいい男の人の後ろに、傷だらけの父親がいた。
「そ、そいつだ·····」
父親は両腕を前に拘束されていて、そのまま肩まで両腕をあげて女の子、自分の娘を指差した。
「これで許してくれっ!本当に金はないんだ!命だけはっ!」
父親は泣きながらそう叫ぶ。
どうやら黒ずくめの男たちは借金取りかなにかのよう。
「こいっ!」
女の子はその黒ずくめの人達に腕を引っ張られ、どこかに連れていかれようとしている。
しかし女の子は抵抗することはせず、そのまま連れて行かれようとしていた。
そして母親がいるリビングの前を通った時、母親と目があった。
その時母親は、連れて行かないでと黒ずくめの人たちから女の子を助けとうとするのか·····
·····いや、そんなはずはなかった。
それで許して貰えたことに母親は心底ホッとした顔をしていた。
仮にも実の親なのに、女の子は見捨てられたのだ。