地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
そして一番端の檻までやってきた。
一番端の檻にはまだ誰もいなかった。
中に入るよう言われ大人しく言われた通りに従った。
すると黒ずくめの男は気味悪く笑って「すぐにお友達連れてきてやるからな」と言って元来た道を戻って行った。
自分には関係ないと、そう思い隅の方でいつも家でそうしていたように冷たい床に横になって、丸まって、そのまま目を閉じ、眠りについた。
もう実の親に罵声を浴びさせられない。
もう虐待されることもない。
少なくとも、この檻が閉まっている限り、暴力を振るわれることはない。
そう思ったのか、女の子は久しぶりにぐっすり眠れた。