地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
でも、それでもえみちゃんは最後まで家族に会いたがっていた。
ひどいこと言ったのを謝りたいと思っていた。
帰りたいと願っていた。
私が最初に撃たれていれば、ここにいるのはえみちゃんだったかもしれない。
家族のもとに帰れていたかもしれない。
ごめんなさいと謝れていたかもしれない。
家族仲良く暮らせたかもしれない。
運命の日、それは突然だった。
破裂音、発砲音を聞いて、子供の鳴き声が消えていく意味に私は気づいた。
えみちゃんはずっと私の腕を掴んでいた。
でもそれがだんだん弱くなって私の腕から離れた。