地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
私でも見惚れるほど整った顔だった。
初めて男の人をかっこいいとまぶしいと思った。
赤い髪の男の人が私の目線に合わせてしゃがんでくれた。
その行動で、その行動だけで私は思った。
この人達は、少なくとも私が出会った人たちの中では、一番いい人だと。
今まで人が話す時は私はその人を見上げて、向こうは見下すような、憎いようなそんなめで見られていたから。
主に親から。
たまに母親に連れられ、外に出る時もあったが、その時に会う人達はかわいそうな目で私を見ていた。
でもこの人の目は、それとは違う。