地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
その赤髪の男の人は私を檻から出そうとしてくれた。
でも横で倒れているえみちゃんを見て自分だけ外に出たらダメだと思った。
えみちゃんの方が帰りたいと思う家があったのに、会いたいと思う家族がいたのに。
私だけ、のうのうと生きて·····。
「おねえちゃん、それは違うよ。」
「え?」
「えみが死んじゃったのを知ったお父さんがね、えみのためにいっぱい涙を流してくれたんだ。
ごめんっていっぱい謝ってくれたんだ。
残った家族には悪いけどえみは嬉しかった。
亡くなる前に気づいて欲しかったけど、亡くならないと気づいてもらえなかったと思うから。」