地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

質問攻めは他にも続いた。


「会いたい人はいないの?」

「助けてくれる人はいないの?」

「おうちで待ってる人はいないの?」

「兄弟は?」


などと。

 
そして今日も一日に一度のパンが配られた。


えみちゃんは何も気にせず一気に食べてしまった。

そのせいで、時間が経ってお腹が空いたとえみちゃんは泣き出してしまった。


「おなか、すいたあ、ぅっ……」


「ぅっ……おねえちゃんは、ぅっ……おなかすか……ないの?」


女の子はいざという時のために取っておいた自分のパンをえみちゃんに差し出した。


「いいの?」


女の子は頷く。


「おねえちゃんありがとう!!」

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