地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
遠くてよく聞こえなかったが、なにかただ事では無い様子だった。
そして男は檻の中にいた子供たちを·····一人一人·····銃で──していった。
だんだん泣いている子供の数が減っていく。
破裂音、発砲音そして鳴き声が近くなって来て、静かになった。
えみちゃんは怖くてうまく声も出せていなかった。
「·····はっ·····はっ·····や、」
そして突然、女の子の腕を握っていた小さな手が外れた。
えみちゃんは女の子の横でバタンっと、倒れた。
あー自分の番が来たのだと女の子は思った。
「お前で最後ッ」
女の子は目を閉じて、その時が来るのを待った。
安全装置が外される音が聞こえた。