地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

遠くてよく聞こえなかったが、なにかただ事では無い様子だった。


そして男は檻の中にいた子供たちを·····一人一人·····銃で──していった。


だんだん泣いている子供の数が減っていく。

破裂音、発砲音そして鳴き声が近くなって来て、静かになった。


えみちゃんは怖くてうまく声も出せていなかった。


「·····はっ·····はっ·····や、」

 
そして突然、女の子の腕を握っていた小さな手が外れた。

えみちゃんは女の子の横でバタンっと、倒れた。
 

あー自分の番が来たのだと女の子は思った。


「お前で最後ッ」


女の子は目を閉じて、その時が来るのを待った。

安全装置が外される音が聞こえた。

< 23 / 301 >

この作品をシェア

pagetop