地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

「ももの状況、居場所を二度も調べたってことは少なからずもものこと気にしてたんじゃねぇーの?」

「……」

「ももの兄弟が亡くなったのはもものせいじゃないだろ?あんたのせいでもねぇ、誰のせいでもねぇーんだよ。

辛かったんだよな。悲しかったんだよな。

でもそれはあんただけじゃねぇ。

ももだって·····父親だって、そうだったはずだ。
他にもやりようがあっただろ?

それなのにずっと·····」
 

「·····ショッピングセンターであの子を見つけた時、あの子は私に見せたことがない顔をしてた。
あんな表情初めて見たわ。

今までどんなことをしても、抵抗も、反抗もしなかった子が、私にイヤだと言った。
それにさっきも。なにあれ?今まで私たちに怖がる素振りも見せなかったって言うのに、私に、実の母親に、どうしてあんなに怖がるの?

あなたたちとちょっと一緒に居ただけで、あの子は変わってしまった·····。

あんな表情もできたのね·····。」


「一度は見逃してやったのにな」


(パッーーーーーンッ!!)

 
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