地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
黒神は桃子の将来のことを考えて、ここで過ごすより絶対に普通の、新しい家族のもとで暮らした方がいいとずっと思っていた。
しかし離れがたくて2ヶ月も一緒に暮らしてしまった。
予定ではもうとっくに里親の元だったはずなのに。
(これ以上はダメだ)
「だから慎重に選ぶぞ。今度はももを大切に愛してくれる家族のもとへ」
(俺たちのせいで、ももが危険な目に遭ってしまう前に。取り返しのつかなくなる前に。ももを安全な場所へ──。)