地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

それから妻は娘を探すようになった。

そしてショッピングモールで妻が娘を見つけてきた。
本当に生きていたとはびっくりだった。


生きていると分かって、最初に出てきた感情はなんだっただろうか·····。

ホッとしたのか、憎いと思ったのか。


俺は親失格だ。

こう思ってしまったのだから·····。
 

『自分だけ楽しく過ごしているなんて“許せい”。』

『俺は、こんなに苦しんでいるというのに自分だけ何不自由ない生活を送っていて“許せない”。』


娘を殴っている時点で親失格だが·····。

俺はダメな父親だ。


でもあの日、殴られて、気絶して、目が覚めた。
二つの意味で。
 

そこからの行動は早かった。

妻に“離婚しよう”と、言った。

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