地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
三.[運命の出会い]
少し離れたところからそう聞こえた。
今度は足音が聞こえてくる。
何か慌てているような、普通に歩いている足音ではなく、不規則に一つ一つ檻の中を確認しているようなそんな足音。
それがどんどんこちらに近づいてくる。
「·····っ!まだ生きている子供がいる!」
倒れていた男からそう叫んだ人物にゆっくり目線を移す。
そう叫んだのは赤髪の男だった。
そして、黒髪で背の高いお兄さんもいつの間にか立っていた。
その後から青髪の男と、白髪の男も入ってきた。
その男達は、それぞれの髪色に合わせたスーツを着ていた。
自信に満ち溢れた感じに。
部屋は薄暗いはずなのにこの男達はとても眩しかった。