地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
「きみ名前は?」
赤髪の男は鉄格子に手をかけながら、女の子に目線を合わせるようにしゃがんで女の子の名前を聞いた。
女の子は少し黙った後、えみちゃんの時と同じようにゆっくり指で「(1、1、3)」と表した。
赤髪の男はその行動に少し驚いて「っ·····ぇ·····そうじゃなくて、本当の名前」と再度優しく聞いた。
が、女の子は首を傾げた。
その様子を見て、青髪の男が何かを探しに行った。
そしてすぐに、「あったぞ!」とそう言って青髪の男がどこからか持ってきたファイルを手にして戻ってきた。
そのファイルの中には、ここにいた子供達の個人情報などが書かれた書類が入ってあった。
ファイルを青髪の男から赤髪の男へ渡され、
「七瀬桃子(ななせ ももこ)·····」