地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】

その書類に書いてあった名前を赤髪の男が読んだ。

しかし女の子、桃子はまた首を傾げる。


「とりあえずここから出たほうが·····」


そう言いながら青髪の男は、先ほど書類と一緒に持ってきた檻の鍵を使って桃子が閉じ込められている檻の鍵を開けた。


しかし横で倒れているどんどん冷たくなっていくえみちゃんを見て、桃子はなかなかその檻から出てこようとしなかった。


「ごめんな、俺たちがもっと早く来ていれば·····」


といって赤髪の男が桃子の手を引いて、檻の外に出してあげた。
 

そして他の子供達の姿を見せないようにと、ずっと黙って様子を見ていた黒髪の男が桃子を抱きかかえた。


そのまさかの行動に、周りの3人は目を見開いてびっくりしていた。

「え···」

しかしどんどん歩き進める黒髪の男を3人は急いで追い、周りをなるべく見せないようにと赤髪の男は女の子の視界に立った。


建物から出ると外は日が落ち始めていた。

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