地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
そして桃の木をジっと見ている男性の後ろ姿と桃の木を一緒に、カメラのレンズにとらえた。
そして一枚
(カシャッ!)
もう一枚撮ろうとした時、男性が後ろを振り向いた。
レンズ越しにその男性と目が合った。
「·····」
「·····きれ·····に·····なった·····」
と女性には聞き取れないくらい小さく呟き、その男性はゆっくりと女性に近づく。
その男性はスーツを纏っていた。
がっしりした体型がスーツ越しにでもわかる。
全てオーダーメイドなのだろう。
丈の長さ、色、全てにおいてこの男性に似合っている。
着せられてる感が全くない。似合いすぎている。
素人の目でもわかる。
艶の違い。体型とのフィット感。立体感。
それでもって程よくラペルピンなどのアクセサリーなどもついていて遊び心もある。