地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
するとどんどん顔がはっきり見えるようになる。
綺麗に鼻筋が通った、端正な顔立ち。
その男は一歩一歩を大事に、期待、願望、欲望を含ませながらピカピカに磨かれた革の靴でゆっくり、ゆっくり、地面を踏む。
右手にはどこか見覚えのある少し古そうなカメラを持っていた。
すると急に小さい頃の記憶がフラッシュバックしてきた。
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「勉強始めようか」
「今日は算数のドリルをしようか」
「うん」
「前の続きのここからだね」
そう言ってページを開いて渡してくれる男性。
それを受け取ってからすぐに解き始めた。