地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】


私の人生を変えてくれた人──。


男性はさらに彼女に近づく。


 どうしよう、心臓の音がうるさい。胸が苦しい。心臓が口から飛び出そう。


私に感情を教えてくれた人──。

 
「この後一緒に、ハンバーグでも食べに行きませんか?」


 ハンバーグ、それは私の大好物。


まるでどこかの王子様みたいな優しい笑みを浮かべ、懐かしい大きな手を差し伸べる。


私のヒーロ──。


 そんなの·····答えは一つだよ。


彼女もまた手を差し伸べ、懐かしい彼の大きな、男らしい手をとる。


私を助けてくれた人──。

 
「はいっ!」


女の子の、幼い可愛らしい笑顔から

女性の、優しく少し色気のある、でもどこか、あの頃を思い出させるような、幼い無邪気な笑顔を見せた。

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