地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
四.[先生の言葉の重み]
桃子がきてから数日が経った。
みんなは薄々気がついていたが、あまり言わないようにしていたことがある。
それは·····
「ももちゃん喋った?」
「いや·····」
赤宮と青葉は桃子がなかなか喋ってくれないことを気にしていた。
「どうだ?」
「まだみたいだね」
黒神と白洲もまた、同じように心配していた。
そう、桃子はここに来て一度も、一言たりとも声を出していないのだ。
最初はただ初めて会った人や場所に、警戒、緊張しているのだと思っていたのだが·····