地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
1週間後──
母親だけ休みで、父親は休日出勤だった日。
母親に「洗濯」とだけ言われ、女の子はリビングから出て、玄関がある方と逆の左側に進みお風呂場にいく。
そして、脱衣所で服を脱ぎ、そのまま脱いだ服を持ってお風呂場に入り体を洗い始めた。
女の子の髪は鎖骨よりも少し長いくらいで、前髪は目よりも下まである。
あんな両親なので、もちろん美容院にも行かせてくれない。
むしろ美容院という存在すら知らないだろう。
そのため、親がいない隙を見て女の子が自分で自分の髪を切っていた。
なので髪の毛先は揃っておらず、ガタガタ。
長いと、髪を引っ張られた時、より痛い。
だから隙を見ては自分できるようにしていた。
それに洗うのも乾かすのも楽だし、いつ洗えるかわからないから長いままにはしていなかった。