キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
#1 最悪な出会い
【玲乃side】
「あっ、玲乃!やっと来た!」
校門前に立つ桜の木の前で前髪をいじっていた私に声をかけたのは友達の千紗。
昇降口に集まる生徒の群れの中からひょこっと顔を出して元気よくこちらに手を振っていた。
今日もトレードマークのポニーテールが、馬のしっぽみたいにサラサラと揺れている。
私は生まれつき、ちょこっとくせっ毛だからそのサラサラがとても羨ましく視界に映る。
私もあれぐらい、うる艶髪になりたいなぁ。
なんて思いながら肩に少しだけかかる栗色セミロングを風になびかせながら、千紗に駆け寄る。
「千紗ー!おはよー!ねね!同じクラス!?」
昇降口がこんなにも賑わっているのは新しいクラスが張り出されている為。きっと千紗はもう確認したんだろう。
「同じクラス!また1年一緒だよー!」
「えぇ!ほんと!? やば!超嬉しい!」
毎年毎年。クラス替えは心臓に悪い。仲良い子と同じクラスになれなかった時の絶望感・孤立感といったらもう……。
さっそく千紗と並んで2階の2年1組の教室に向かった。
「今日から私たち先輩じゃん!? 千紗先輩!ボール拾ってきます!とか慕われちゃうかもー」
自分が ”先輩” という立場になったのがよっぽど嬉しいのか、千紗の口角は先程から上がりっぱなしだ。
「あっ、玲乃!やっと来た!」
校門前に立つ桜の木の前で前髪をいじっていた私に声をかけたのは友達の千紗。
昇降口に集まる生徒の群れの中からひょこっと顔を出して元気よくこちらに手を振っていた。
今日もトレードマークのポニーテールが、馬のしっぽみたいにサラサラと揺れている。
私は生まれつき、ちょこっとくせっ毛だからそのサラサラがとても羨ましく視界に映る。
私もあれぐらい、うる艶髪になりたいなぁ。
なんて思いながら肩に少しだけかかる栗色セミロングを風になびかせながら、千紗に駆け寄る。
「千紗ー!おはよー!ねね!同じクラス!?」
昇降口がこんなにも賑わっているのは新しいクラスが張り出されている為。きっと千紗はもう確認したんだろう。
「同じクラス!また1年一緒だよー!」
「えぇ!ほんと!? やば!超嬉しい!」
毎年毎年。クラス替えは心臓に悪い。仲良い子と同じクラスになれなかった時の絶望感・孤立感といったらもう……。
さっそく千紗と並んで2階の2年1組の教室に向かった。
「今日から私たち先輩じゃん!? 千紗先輩!ボール拾ってきます!とか慕われちゃうかもー」
自分が ”先輩” という立場になったのがよっぽど嬉しいのか、千紗の口角は先程から上がりっぱなしだ。
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