キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
……とっくに気づいてた。

落ちないように必死だった。

こんなこと絶対認めたくなかった。

でも…っ、もう……………………、

そう簡単に抜け出せないよ……。

「私も……っ、好きだよ…」

こんなの……認めざるを得ないじゃん…っ

「葵くんが好き……っ!だからお願い……っ、目…っ、……つぶらないで……」

自信過剰な所が好き……

自己評価高い所も好き……

すぐ人をからかう、その意地悪な目つきが好き……

掴みどころがない所が好き……。

顔がかっこいい所が好き……。

年下のくせに余裕そうな所がムカつくけど、好き…、

どうしようも無く好き……。

好きなの…。

もう私は…、っ、

こんなにもあなたにメロメロなの……っ。

好きにさせといて……っ、こんなのありえないから……!

このままお別れなんて嫌だよ……

いつの間にか長いまつ毛を伏せ、もうピクリとも動かない葵くんにしがみつくように抱きつく。

「起きてよー…っ、ねぇっ、てば…!!!」

何度も葵くんの頬を叩いて呼びかけた。

​────その時。

微かに唇が動いた気がした。

慌てて耳を寄せる。
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