キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
#4 抜け出せない
【葵side】
……んだよ、あれ…。
泣くとか……、
───────────…反則だろ。
ーー驚かせないでよっ!!死んじゃうかと思ったじゃん……っ、ぐすん…っ
ちょっとからかおうかな、って思っただけだった。
あんなふうに泣かれるなんて思ってなかった。
それゆえ、動揺してしまった。
不規則に胸にチクチクと、何かがぶっ刺さる。
変だ。
なんか変だ。
叩かれた頬が熱くて冷めない。
……意味分かんね。
あぁ、クッソ…
1晩経っても熱は収まらない。
忙しなく胸をザワザワと騒がせながら、授業そっちのけで窓の外を眺めた。
ちょうどこの教室からよく見えるグラウンド。
そこに2年生が集まっていた。
ごっつい体育教師が号令をかけ、グラウンドの中心に生徒が整列する。
その中でも勝手に視界が捉えたのは先輩の姿。
千紗先輩と楽しそうに何かを話しながらダラダラと整列していた。
体育の時はポニーテールしてるのか。
なんてボー、と考えながら、僅かに見えてしまった項にゴクリ、と唾を飲み込んだ。
ーードクン!
また心臓が意味も分からず跳ねる。
一体なんなんだよ……。
絶対届かないはずなのに、思わず手を伸ばしたくなった。
気持ちがふわふわしてて曖昧だ。気味が悪い。
「……おい!あーおい!」
「ん…なんだよ」
……んだよ、あれ…。
泣くとか……、
───────────…反則だろ。
ーー驚かせないでよっ!!死んじゃうかと思ったじゃん……っ、ぐすん…っ
ちょっとからかおうかな、って思っただけだった。
あんなふうに泣かれるなんて思ってなかった。
それゆえ、動揺してしまった。
不規則に胸にチクチクと、何かがぶっ刺さる。
変だ。
なんか変だ。
叩かれた頬が熱くて冷めない。
……意味分かんね。
あぁ、クッソ…
1晩経っても熱は収まらない。
忙しなく胸をザワザワと騒がせながら、授業そっちのけで窓の外を眺めた。
ちょうどこの教室からよく見えるグラウンド。
そこに2年生が集まっていた。
ごっつい体育教師が号令をかけ、グラウンドの中心に生徒が整列する。
その中でも勝手に視界が捉えたのは先輩の姿。
千紗先輩と楽しそうに何かを話しながらダラダラと整列していた。
体育の時はポニーテールしてるのか。
なんてボー、と考えながら、僅かに見えてしまった項にゴクリ、と唾を飲み込んだ。
ーードクン!
また心臓が意味も分からず跳ねる。
一体なんなんだよ……。
絶対届かないはずなのに、思わず手を伸ばしたくなった。
気持ちがふわふわしてて曖昧だ。気味が悪い。
「……おい!あーおい!」
「ん…なんだよ」