キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
それにしても入学式にもれなくついてくる校長先生の長い話は一切頭に入って来なかったなぁ。毎度のことだけど。
退屈過ぎて、教師にバレない程度に周りを見渡せば生徒全員ほとんど死んだ顔をしていた。
終始深くて暗い海の底を彷彿とさせるほどどんよりとした空気に思わず途中で吹き出しそうになってしまったことを思い出す。
「ねぇ、そういえば答辞してた新入生代表、見た? 瀬崎 葵くん」
これから部活があるという千紗は膝にサポーターを付けたり、と着々と準備を進めながらそう尋ねてきた。何やら興味津々の眼差しだ。
「えぇー、見てない。どうかしたの?」
「めっちゃかっこよかったよ!? しかも!答辞やったってことは首席合格ってことでしょ!?あれこそまさに才色兼備ってやつだよねぇ〜」
あぁ、なるほど。
そういうことか……。
納得したと同時にすごい気迫で迫って来る千紗の早口トーク術に関心する。
「もーー、彼氏いるのに何言ってんのー」
出会った頃からイケメンにうるさい千紗。いわゆる面食いなのだそうだ。
先月出来たらしい彼氏も千紗の一目惚れらしい。
「それとこれとは話は別ー!」
千紗は思い付いたらすぐ行動するタイプ。
破天荒で世渡り上手。
誰よりも人生を謳歌している気がするな、と常日頃思ったりする。
退屈過ぎて、教師にバレない程度に周りを見渡せば生徒全員ほとんど死んだ顔をしていた。
終始深くて暗い海の底を彷彿とさせるほどどんよりとした空気に思わず途中で吹き出しそうになってしまったことを思い出す。
「ねぇ、そういえば答辞してた新入生代表、見た? 瀬崎 葵くん」
これから部活があるという千紗は膝にサポーターを付けたり、と着々と準備を進めながらそう尋ねてきた。何やら興味津々の眼差しだ。
「えぇー、見てない。どうかしたの?」
「めっちゃかっこよかったよ!? しかも!答辞やったってことは首席合格ってことでしょ!?あれこそまさに才色兼備ってやつだよねぇ〜」
あぁ、なるほど。
そういうことか……。
納得したと同時にすごい気迫で迫って来る千紗の早口トーク術に関心する。
「もーー、彼氏いるのに何言ってんのー」
出会った頃からイケメンにうるさい千紗。いわゆる面食いなのだそうだ。
先月出来たらしい彼氏も千紗の一目惚れらしい。
「それとこれとは話は別ー!」
千紗は思い付いたらすぐ行動するタイプ。
破天荒で世渡り上手。
誰よりも人生を謳歌している気がするな、と常日頃思ったりする。