キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
腰に回された手がゆっくりとシャツの中に入ってきて素肌に触れる。

「ひゃっ……」

「先輩、って弱い、ですよね。……弱すぎていじめたくなります」

「!?」

「そういうこと軽々しく言わなっ​────」

「先輩が望むなら僕……、どんな男にだってなってさしあげますよ?」

暖かい手が背中を撫で回す。

「…っ、ぁっ…、」

抵抗したくてもフワフワして出来なかった。

あぁ……なんかもう…

「さっさと僕に溺れて下さい。…玲乃先輩」

「……っ」

急に眠気に襲われて葵くんの肩に顔を埋めた。

やっぱり……今日は色々あったから疲れてるのかもしれない。

朦朧とする意識の中。

ひょいっ、と再び私の体は抱き上げられてしまった。
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