キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
#3 …ずるい
【玲乃side】

あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ! もう!

何しちゃってんの!? 私……!

あいつの胸の中で泣くとか…!

1晩寄り添ってもらうとか…!

まぁそれは一切記憶にないんだけど…。

それにしてもこれは一生の不覚!

自己嫌悪やら羞恥やらに押しつぶされそう……

「てか、突然いなくなったからびっくりした、廊下で長谷川くんも血だらけで倒れてたし」

「あぁー…ごめん、ちょっと体調悪くなっちゃって」

長谷川って名前だったんだ。あいつ……

覚えとけよ……。

「え、そうだったの!? 気づかなくてごめん」

「いいの、いいの」

翌朝。

合コンを先に抜けてきちゃったことを千紗に問いだたされギクッ、となったがなんとか、かわせたみたい。

ホテルに連れ込まれそうになった、なんて言ったら心配させるだろうし、とりあえずそういうことにしておいた。

「え、その……長谷川?くんの容態は?」

といっても葵くんに殴られたあの男がどうなったのかは気になる。

気絶してたけど大丈夫かな……。

「あぁー、なんかね、どっかの骨折れてたって言ってた」

「え!?」

まじか……。

葵くん……強…。
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