キミの正体 ~実は独占したがり超絶オオカミでした~
すでに1年から3年までの各クラス1名ずつが集結していて、さっそく美化委員担当の教師から仕事分けされていた。
どうやら桜の葉っぱがえらいこっちゃになっているから掃除しろ、とのことだった。
私は体育倉庫前を1年の男の子と2人でやることに。
まぁ特に知らない子だし、喋る必要もなさそうで気楽だ。
黙々と作業を進め、サッサッ、とホウキが地面をこする音だけに耳をすます。
ふぅー、と額に滲んだ汗を拭いながらおもむろに顔を上げた時だ。
「はじめまして」
「わぁ…っ!」
さっきまで黙々と作業していた1年の子が目の前に立っていて盛大にビビり散らかす。
無意識に手を前にして防御姿勢をとってしまっていた。
「あ、すんません。突然。葵のお隣さんっすよね?」
茶髪の割に大人しい子だなぁ、と思っていたけれど案外グイグイ近寄ってくる。
「あ、うん…。え、と……」
「あぁ、俺は葵のダチの相川涼太です」
「ダチ……そうなんだ」
葵くんって友達いたんだ。
学校では滅多にすれ違わないしすれ違ったとしても女の子に囲まれてること多いから葵くんの交友関係の情報は無知に近かった。
本人も自分からそういうことを話してきたりしないタイプだから尚更。
「俺、玲乃ちゃん、って呼んでいいすか?」
「別に……いいけど…」
「やった! ちなみに葵のこと、好きになりました?」
どうやら桜の葉っぱがえらいこっちゃになっているから掃除しろ、とのことだった。
私は体育倉庫前を1年の男の子と2人でやることに。
まぁ特に知らない子だし、喋る必要もなさそうで気楽だ。
黙々と作業を進め、サッサッ、とホウキが地面をこする音だけに耳をすます。
ふぅー、と額に滲んだ汗を拭いながらおもむろに顔を上げた時だ。
「はじめまして」
「わぁ…っ!」
さっきまで黙々と作業していた1年の子が目の前に立っていて盛大にビビり散らかす。
無意識に手を前にして防御姿勢をとってしまっていた。
「あ、すんません。突然。葵のお隣さんっすよね?」
茶髪の割に大人しい子だなぁ、と思っていたけれど案外グイグイ近寄ってくる。
「あ、うん…。え、と……」
「あぁ、俺は葵のダチの相川涼太です」
「ダチ……そうなんだ」
葵くんって友達いたんだ。
学校では滅多にすれ違わないしすれ違ったとしても女の子に囲まれてること多いから葵くんの交友関係の情報は無知に近かった。
本人も自分からそういうことを話してきたりしないタイプだから尚更。
「俺、玲乃ちゃん、って呼んでいいすか?」
「別に……いいけど…」
「やった! ちなみに葵のこと、好きになりました?」