【女の事件】黒いバッジ
最終回
さて、その頃であった。

またところ変わって、JRと錦川鉄道の新岩国駅から東へ5キロ先にあるラブボにて…

ラブボの部屋にてつしと女がいた。

女は、てつしが勤務している会社にかつて勤めていた元OLだった。

全裸《はだか》のふたりは、ベッドの上で激しく求めあっていた。

「あっ…イヤ!!」
「(女)…」
「課長…」
「後悔しない?」
「後悔してない…」
「愛してる…」
「あたしも…あなたのことが好きよ…」
「(女)!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

ふたりは、約300分に渡って身体を激しく求めあった。

それからまた30分後であった。

全裸《はだか》の女は、眠い目をこすりながら起き上がった。

この時であった。

女は、眠っているてつしに声をかけた。

「課長、課長…課長…ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」

女は、おそろしい悲鳴をあげた。

てつしは、眠っている間に呼吸が止まった…

どうしよう…

たいへんだ…

大パニックを起こした女は、スマホを手に取ったあと大急ぎで電話をかけた。

「もしもし!!豊国《あんた》はやく来てよ!!」

それからまた60分後であった。

竹宮とヤクザの男たち100人がラブボの部屋にやって来た。

竹宮は、シゴコウチョクしたてつしをニヤニヤとした表情で見つめたながら言うた。

「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…福角《ふくずみ》の長男《バカ》がフクジョーシしたみたいや…おい、この長男《バカ》の遺体を運び出すぞ!!」
「へえ!!」

このあと、子分たちはてつしの遺体を部屋から運び出した。

竹宮は、ニヤニヤとした表情で言うた。

「さあ、これで福角《あのクソバカ》の家もおしまいだ…まああとは…高みの見物でもしまひょか…ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…」

またところ変わって、福角家《ふくずみけ》にて…

てつしがラブボにいた時に、家で深刻なもめ事が発生した。

ものすごい血相で怒り狂っているマヤがてつろうがいる部屋に入った。

「てつろうさん!!ちょっとこれはどう言うことよ!?」

てつろうは、ものすごく怒った声でマヤに言うた。

「勝手に人の部屋に上がり込むな!!」

ものすごく怒り狂っているマヤは、小さい女の子が着用するネイビーの体操着の下を出しながら言うた。

「これはなによ!!これはなによ!!」

てつろうは、ものすごく怒った声でマヤに言うた。

「返せよ!!」
「イヤ!!」
「返せと言うたら返せ!!」
「イヤ!!返さない!!説明してよ!!…きちんと説明してよ!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「幼稚園年中から中学2年生の女の子が相次いで行方不明になっている事件が多発したとニュースで伝えられていたのよ!!」
「だからなんだと言うのだ!!」
「今からおじさまとおばさまにいいにいくから!!その間にケーサツへ行く準備をしなさい!!」

思い切りブチ切れたてつろうは、デスクの引き出しをあけた。

引き出しの中には、警察官から強奪した拳銃があった。

思い切りブチ切れたてつろうは、拳銃を手にしたあと大広間へ向かった。

そして…

「オドレ死ねや!!」

(ズドーン!!ズドーン!!)

思い切りブチ切れたてつろうは、マヤを拳銃で撃ち殺した。

「てつろう!!」
「なんでマヤさんを殺したのよ!!」
「死ねや!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

てつろうは、武昭千景夫婦《たけあきちかげ》を拳銃で撃ち殺した。

その後、てつろうは拳銃で友美を撃ち殺した。

思い切りブチ切れたてつろうは、拳銃を持って外に出たあと奇声をあげながら暴れ回った。

それから20分後であった。

山口県警《けんけい》の刑事たち40人が現場に到着した。

「コラ!!止まりなさい!!」
「ワーッ!!」

てつろうは、奇声をあげながら刑事たちに向かって行った。

(ズドーン!!)

この時、リーダーの刑事がてつろうの左足を銃で撃った。

撃たれたてつろうは、その場に倒れた。

その後、刑事たちは持っていたナイフを使っててつろうをズタズタに刺した。

てつろうは、それから2分後に死亡した。

それから80分後であった。

福角家《ふくずみけ》に山口県警《けんけい》の捜査員たち500人が一斉に入った。

捜査員たちは、てつろうが使っていた部屋のおしいれとクローゼットを捜索した。

その結果、行方不明になっていた幼稚園年中から中学2年生までの女の子たちが着用していた下着・水着・体操着などが多数発見された。

この結果、事件の容疑者は福角てつろうであることが判明された。

美祢市の山中の現場に落ちていた大学の研究員のバッジは、てつろうがつけていたものであることも判明した。

山口県警《けんけい》は、このあとてつろうがいた大学に対しても家宅捜索を始めた。

同じ日の午後、行方不明になっていたしゅんすけが長門市の海岸で遺体となって発見された。

死因は、デキシであった。

しゅんすけが友だちの家にスマホを置いて帰ったトラブルから始まった悲劇は、サイアクの形で幕を下ろした。

【終】
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