パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
…と、思っていたけどあの日から変な噂が私の周りを付きまとい始めた。
弟に近付いて柏木先輩を狙う女、だって。
狙ってないし!全然狙ってないもん~~~~!!!
「あ、あれだよ!柏木先輩陥れようとしてるの!」
下駄箱に着くなり聞こえて来た声にめっちゃくちゃ萎える。
そんなこと思ってないよ!てゆーか陥れるって何!?私どんな悪女なの!?
「…ウンザリだよ」
朝から憂鬱すぎだよ、ほんと。
「おはよう、紫衣」
「美月…おはよう」
「どうしたの?朝から疲れてない?」
「うん…気付いたら学校の有名人になってたの、私」
「あぁ、噂超広がってるよね」
ほんそれ、誰かが広めてるんじゃないかってぐらいもう学校中が知ってるよねこれは。
タメ息を吐きながら上履きに履き替えた。
教室に行くのもちょっと嫌なんだけど。
「でも柏木ってあんなとこあるんだね、ちょっと意外だった」
「え、何が?」
「いつもふわふわしてるイメージしかったけど、あんな堂々としたとこあるんだな~って思って」
“紫衣は俺のだ”
あれはきっとみんなの中で予想外だった。私の中でも十分予想外だったんだもん。
「カッコいいじゃん、周りに負けないで彼女守るなんて!」
「……うん」
だから嬉しいんだけど、そう言われたらちょっと複雑で。変に愛想笑いするみたいになっちゃった。
トンッと上履きを慣らして教室へ向かー…
「美月…?」
「何、どうしたの?」
ツンッと鼻の奥を突いてくるような匂いが気になった。
「ミントのガム食べてる?」
「あ、わかった?今噛んでる」
「うん、匂いがしたから」
この香り、最近では少し慣れちゃった香りで前みたいに気にならなくなってた。でもいつも隣にいる人が違ったから。
「美月好きだったの?」
「うん、わりと」
「そーなんだ、知らなかった!」
「部活で悩んだ時とかよく食べるよ、ストレス解消にいいんだって」
ストレス解消…?
食べないから知らなかったの、そんな効果があるなんて。
“スッキリしていいんだよ”
弟に近付いて柏木先輩を狙う女、だって。
狙ってないし!全然狙ってないもん~~~~!!!
「あ、あれだよ!柏木先輩陥れようとしてるの!」
下駄箱に着くなり聞こえて来た声にめっちゃくちゃ萎える。
そんなこと思ってないよ!てゆーか陥れるって何!?私どんな悪女なの!?
「…ウンザリだよ」
朝から憂鬱すぎだよ、ほんと。
「おはよう、紫衣」
「美月…おはよう」
「どうしたの?朝から疲れてない?」
「うん…気付いたら学校の有名人になってたの、私」
「あぁ、噂超広がってるよね」
ほんそれ、誰かが広めてるんじゃないかってぐらいもう学校中が知ってるよねこれは。
タメ息を吐きながら上履きに履き替えた。
教室に行くのもちょっと嫌なんだけど。
「でも柏木ってあんなとこあるんだね、ちょっと意外だった」
「え、何が?」
「いつもふわふわしてるイメージしかったけど、あんな堂々としたとこあるんだな~って思って」
“紫衣は俺のだ”
あれはきっとみんなの中で予想外だった。私の中でも十分予想外だったんだもん。
「カッコいいじゃん、周りに負けないで彼女守るなんて!」
「……うん」
だから嬉しいんだけど、そう言われたらちょっと複雑で。変に愛想笑いするみたいになっちゃった。
トンッと上履きを慣らして教室へ向かー…
「美月…?」
「何、どうしたの?」
ツンッと鼻の奥を突いてくるような匂いが気になった。
「ミントのガム食べてる?」
「あ、わかった?今噛んでる」
「うん、匂いがしたから」
この香り、最近では少し慣れちゃった香りで前みたいに気にならなくなってた。でもいつも隣にいる人が違ったから。
「美月好きだったの?」
「うん、わりと」
「そーなんだ、知らなかった!」
「部活で悩んだ時とかよく食べるよ、ストレス解消にいいんだって」
ストレス解消…?
食べないから知らなかったの、そんな効果があるなんて。
“スッキリしていいんだよ”