パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
じゃあ私は何のために一緒にいるの?



そんなの彗くんのことが好きだからだけど。

その答えはシンプルでそれ以下でもそれ以上でもないんだけど。


でも一緒にいるんだからさ、頼ってほしいんだよ…



ケイはそんな風には思ってくれないの?



「しーえちゃんっ」

「!」

「おはよっ」

朝、教室に入るとすぐに私を見付けた彗くんが近寄って来た。元気な声で、クラスのみんなに聞こえるくらい。

「おは、よう…」

にひっと笑って、たぶんいつも通り…昨日のことってどうなってるんだろう?

「あのっ、彗くん昨日っ」

「あ、昨日できなかった勉強会いつする?」

「え…」

「ほら、教えてくれるって言ったじゃん!オレ赤点だったから!」

あー…そう、なんだ。そこから全部なくなっちゃってるんだ。

ケイの記憶操作はとにかく大雑把で困っちゃうな、そーゆうとこは性格出てるよね。やめてよね、ほんと。

「今日は?今日は紫衣ちゃん空いてる!?」

「うん、いいよ。じゃあ今日しよっか」

「やったね!じゃあどこでする?1番いいのは図書室…」

「図書館は!?」

ハッと昨日のことを思い出して、被せるように提案した。押し切っちゃえばイケるかなって思って。

「図書館のが勉強できるとこあるし、暇になったら本も読めるし快適じゃない!?」

結構むちゃくちゃだったけど、図書室だって本読めるし。

「いいね!じゃあ図書館行こっか!」

「うん、いいよね図書館!図書館にしよう!じゃあ今日の帰りね!!」
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