パブリックダーリン~私と彼と彼氏~
「なんだよ、何言ってんだよ…だから何なんだよ!!」
私の顎から手を離した。
「お前も所詮、変わらねぇな。じゃあお前にもわかりやすく教えてやるよ」
狂ったように目をギョロギョロさせて、掴んだ私の肩をぎゅっと潰すように握った。
「…っ」
さっきまでの比べ物にはならない力に痛みが走る。
顎を固定していた右手は大きく後ろに引かれ勢いよく突き出され…
え、これは…
無理無理無理無理っ!!!
さすが力は無理だよ、勝てない!!
やばい、殴られ…っ!!?
きゅぅっと目をつぶって身構えた。
―ガシッ
「…っ!」
柏木先輩のこぶしが飛んで来ると思った、でもそれより先に走って来てくれた。
「ケイっ」
寸前のところで止められた柏木先輩の右腕をぎゅっと掴んで、はぁはぁと小さく肩を揺らしていた。
そのまま静かに戻すように、掴んだ腕をグッと下ろした。
「そんな辛そうな顔してすることじゃねぇよ」
ケイがはぁっと息を吐いた。
柏木先輩は顔をこわばらせ食いしばった表情をして、ケイよりも息をするのが苦しそうで肩が上下に激しく揺れていた。
どうして、そんなに…
「紫衣、大丈夫か?」
「あ、うん!私は大丈夫…だけど」
なんで柏木先輩の方がそんな顔するの…
そんなの、ひどいよ。
彗くんはどうなるの、彗くんのことは…
「柏木先輩…」
私は許せないと思う、ケイみたいに優しくないから受け入れられないよ。
だからそんな顔見せないでほしいのに。
ダンッと壁を打ち付ける、私に向けて打つはずだった拳を。
「…クソッ」
そこにはもう“優等生”な柏木先輩はいなくて、ただ自分の感情をあらわにする柏木先輩の姿だけ…
何度も何度も壁を殴るように打って。
「やめろっ、おい!」
「…っ」
「何してんだっ」
ダンダンと鈍い音が廊下を揺らすように、ケイが止めようとしても無心で打ち続ける。
「やめろよ!」
「……。」
「おいっ!」
「…。」
「やめろ!!」
「…んだよ、離せよ」
コンクリートでできた壁は硬くて冷たいのに。
「離せっ!!!」
柏木先輩の悲しい叫び…
「やめ…っ」
「柏木先輩!!!」
柏木先輩の手を掴んだ。
打ち付けようとしていた拳を、何度も打ち付けたせいで血が滲んだ拳を…きゅっと握った。
私の顎から手を離した。
「お前も所詮、変わらねぇな。じゃあお前にもわかりやすく教えてやるよ」
狂ったように目をギョロギョロさせて、掴んだ私の肩をぎゅっと潰すように握った。
「…っ」
さっきまでの比べ物にはならない力に痛みが走る。
顎を固定していた右手は大きく後ろに引かれ勢いよく突き出され…
え、これは…
無理無理無理無理っ!!!
さすが力は無理だよ、勝てない!!
やばい、殴られ…っ!!?
きゅぅっと目をつぶって身構えた。
―ガシッ
「…っ!」
柏木先輩のこぶしが飛んで来ると思った、でもそれより先に走って来てくれた。
「ケイっ」
寸前のところで止められた柏木先輩の右腕をぎゅっと掴んで、はぁはぁと小さく肩を揺らしていた。
そのまま静かに戻すように、掴んだ腕をグッと下ろした。
「そんな辛そうな顔してすることじゃねぇよ」
ケイがはぁっと息を吐いた。
柏木先輩は顔をこわばらせ食いしばった表情をして、ケイよりも息をするのが苦しそうで肩が上下に激しく揺れていた。
どうして、そんなに…
「紫衣、大丈夫か?」
「あ、うん!私は大丈夫…だけど」
なんで柏木先輩の方がそんな顔するの…
そんなの、ひどいよ。
彗くんはどうなるの、彗くんのことは…
「柏木先輩…」
私は許せないと思う、ケイみたいに優しくないから受け入れられないよ。
だからそんな顔見せないでほしいのに。
ダンッと壁を打ち付ける、私に向けて打つはずだった拳を。
「…クソッ」
そこにはもう“優等生”な柏木先輩はいなくて、ただ自分の感情をあらわにする柏木先輩の姿だけ…
何度も何度も壁を殴るように打って。
「やめろっ、おい!」
「…っ」
「何してんだっ」
ダンダンと鈍い音が廊下を揺らすように、ケイが止めようとしても無心で打ち続ける。
「やめろよ!」
「……。」
「おいっ!」
「…。」
「やめろ!!」
「…んだよ、離せよ」
コンクリートでできた壁は硬くて冷たいのに。
「離せっ!!!」
柏木先輩の悲しい叫び…
「やめ…っ」
「柏木先輩!!!」
柏木先輩の手を掴んだ。
打ち付けようとしていた拳を、何度も打ち付けたせいで血が滲んだ拳を…きゅっと握った。