パブリックダーリン～私と彼と彼氏～

darling2.)

「美月！購買行くよね？私飲み物買いに行く！」

「行くけど…」

「？」

お昼休み、甘いものが欲しくってフルーツ・オレを買いに行こうかなって美月の購買について行こうと思った。

私の顔を見た美月が一度視線を教室の奥の方へずらしたのが気になって。

「もう柏木はいいの？」

「えっ」

「前はお昼も柏木といたのに最近一緒にいなくなったよね」

それは…まぁまだいろいろあった時、教室で孤立する姿を見てられなかったから。

「あ、別に2人の仲がどうだって言ってるんじゃないよ！？仲は今もいいと思ってるし！」

「あ、うん！大丈夫！彗くんたぶん友達と食べるから…！」

冬休みを超えたらなくなっていた噂と持ち前のドデカボイスな元気のおかげでクラスの中心にはあの彗くんが帰って来ていた。

彗くん楽しそうだし、そんな彗くんを見るのも楽しいし、無理に一緒にいる必要もなくて。

「てかまた柏木キャラ変した？」

購買へ行くために教室を出て階段を降りる。売り切れちゃうといけないから少しだけ速足で降りた。

「当比社約3倍パワーアップ！って感じ」

トンッと最後の階段を降りた美月が私の方を見るように振り返った。

「でもこっちの方が柏木ぽくていいね！」　　


“ちょっと前から雰囲気変わったなって思ってたけど最近はめちゃくちゃ静かで別人みたい”

きっと私を元気づけてくれるように言ったんだと思うの。

いつもの彗くんが戻って来てよかったねって。


…うん、よかったよ。

彗くんが戻って来てくれてよかった。
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