パブリックダーリン~私と彼と彼氏~

darling1.)

今日はデート、(すい)くんとデート。

昨日からずっと楽しみにしてたんだ。

「ねぇねぇ、彗くん今日何クレープにするか決めた?」

小村紫衣(こむらしえ)、高校1年生。
高校に入るまでに伸ばすんだ!って決めた髪の毛を今日はしっかりストレートに伸ばして来た。

「めーっちゃ悩んでる!紫衣ちゃん決めて来たの?」

そしてこちらのインした柄シャツが今日の服のポイントできゅるんとした瞳に笑うと歯を見せるところが可愛い私の初めての彼氏、柏木彗(かしわぎすい)くん。

「決めて来た!」

「何にするの?」

「えー、それは秘密だよ~!買ってからのお楽しみ!」

付き合って1ヶ月の絶賛ラブラブ真っ只中♡ 

休みの日にデートなんて初めてだからだいぶ浮かれちゃってるのはご愛敬、だって浮かれないわけないじゃんこんなに可愛い彗くんとデートなんだから♡

「わ~、俺どうしっよかな~」

まだキスはしたことないけど。

いつかそんな関係になれるのかな。

「ん?何?オレの顔なんかついてる?」

「ううん、なんでもない!」

ついつい横顔をじーっと見つめちゃった。

いつかそんな関係になりたいな。

「ちょっともっかいメニュー見てみるわ」

歩きながら彗くんがポケットからスマホを取り出し、今から行くクレープ屋さんのサイトを開いてメニュー一覧をタップした。私も一緒に見ようかなって覗き込むように顔を寄せた。

「うわっ」

その瞬間、彗くんの大きな声が耳元でキーンってなった。

「やっば!期間限定まるっとプリンだって!めちゃくちゃおいしそう!!」

しいていえば彗くんの欠点は声が大きいところ、隣で体が揺れるくらい驚いちゃったしただでさえ大きな瞳がさらに大きくなって…


可愛い!
からいっか、声が大きくてもいっか!


別に誰に迷惑かけるわけでも…
< 2 / 181 >

この作品をシェア

pagetop